永興寺(ようこうじ) 七
憤懣(ふんまん)の熱流で血が煮えそうになるが、つとめて静かに隆兼(たかかね)は、
「……ほう。何処(どこ)がどう誤っておる?」
並の者なら恟々(きょうきょう)としそうな獣じみた怒気が、三浦越中守(みうらえっちゅうのかみ)のこの場にいる誰よりも大きく逞(たくま)しい体から、放たれている。
「――我らの武じゃ!」
永興寺(ようこうじ) 七
憤懣(ふんまん)の熱流で血が煮えそうになるが、つとめて静かに隆兼(たかかね)は、
「……ほう。何処(どこ)がどう誤っておる?」
並の者なら恟々(きょうきょう)としそうな獣じみた怒気が、三浦越中守(みうらえっちゅうのかみ)のこの場にいる誰よりも大きく逞(たくま)しい体から、放たれている。
「――我らの武じゃ!」