足利学校、かやふき替えへ 復元以来初、10年計画で

復元後、初めてかやぶき屋根が全面ふき替えされることになった史跡足利学校=足利市昌平町
復元後、初めてかやぶき屋根が全面ふき替えされることになった史跡足利学校=足利市昌平町

歴史と文化の街を掲げる足利市のシンボル、史跡足利学校(足利市昌平町)の主要建造物のかやぶき屋根が来年度以降、10年計画で全面的にふき替えられる見通しとなった。平成2年の復元以来、初の全面改修で、消防設備の更新などを含め総事業費は3~4億円と見込まれる。

同学校の創建時期は不明だが、戦国時代に軍師の養成機関として栄え、後に徳川家康に重用された三要らを輩出し、宣教師フランシスコ・ザビエルに「最も有名な坂東の大学」と紹介された。

何度も大火に見舞われ、現存する最も古い建造物は江戸時代初期、寛文8(1688)年に建てられた大成殿と学校門。方丈や庫裏などの建造物と庭などは平成2年、江戸中期の絵図や修復資料を基に、総工費15億円で忠実に復元された。以来、観光スポットとして年間約15万人が訪れる。

建造物のかやぶき屋根は復元の際、絵図通りにしたもの。だが、復元時の維持管理計画では20~25年で全面ふき替えが必要とされたものの、財政上の問題などで先送りされていた。このため平成7年以降、腐食部分を新しいかやに替える「差し茅」や燻蒸(くんじょう)などでしのいできた。

事態を打開すべく、足利市は27年度、全面改修のための史跡足利学校施設整備基金を設置。一般財源などで毎年約2千万円を積み立て、令和元年度には1億円を達成した。復元後、既に30年以上経過していることから、保存整備基本計画を策定し、全面ふき替えに着手することにした。

計画期間は令和5~14年度までの10年間。対象となるのは方丈や庫裏、木小屋、裏門のかやぶき屋根(総面積約650平方メートル)で、かや200トンが必要とされる。6年度に実施計画を策定し、7年度以降、順次、ふき替え工事を進める予定としている。(川岸等)

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