ロシアのウクライナ侵攻と経済制裁の長期化で、世界経済が自由民主主義と強権主義の2陣営に分断される「ブロック化」の脅威が強まっている。国際秩序を支えてきた協調体制の機能不全は、米国と中国の覇権争いを背景にかねて指摘されてきたものの、ウクライナ危機がダメ押しした形だ。資源を海外に頼る島国の日本にとって自由貿易は生命線だが、今後は米国の同盟国として旗幟(きし)を鮮明にするよう求められ、苦境に立つ局面も予想される。
■ロシアめぐり対応二分
4月20日、20カ国・地域(G20)が米ワシントンで開いた財務相・中央銀行総裁会議。ロシアのシルアノフ財務相が発言を始めると、イエレン米財務長官やカナダのフリーランド副首相兼財務相ら先進国の代表が相次いで席を立った。
「世界の民主主義諸国は、ロシアの継続的な侵略と戦争犯罪を前にして、黙って見過ごすことはない」