テレビの放送と同時にスマートフォンやパソコンで番組を視聴できる「同時配信」が、すべての在京民放キー局(5系列)で出そろった。「テレビ離れ」が進む中、視聴環境を広げることで、媒体の価値を向上させることが各局の狙いだ。ただ、ネットでの存在感を高め、労力に見合った収益を得るためには、現在は実施時間が限定されている同時配信の「24時間化」が必要との指摘も出ている。
民放キー局による同時配信は「リアルタイム配信」と題し、ゴールデン(午後7~10時)、プライム(同7~11時)の番組を中心に、民放各局などで運営するサイト「TVer(ティーバー)」で実施。日本テレビが昨年10月から先行していたが、残りの4系列でも4月11日に始まった。
これまでテレビ受像機でしか見ることができなかった番組を、同時にネットでも提供する背景には、テレビのメディア価値が相対的に低下したことがある。総務省による昨年の調査によると、平日のネットの平均利用時間が初めて、全年代でテレビのリアルタイム視聴を上回った。