山梨人骨発見 何度も捜索の現場でなぜ…大雨や野生動物の影響か

警察などの捜索が続く、山梨県道志村の山中=12日午前
警察などの捜索が続く、山梨県道志村の山中=12日午前

山梨県道志村のキャンプ場で令和元年9月に行方不明になった小倉美咲さんは、数多くの人々が捜索に携わり、何度も周辺をめぐるなどしていたが、「手がかり」は一切つかめなかった。約2年半の歳月を経て付近から人骨が発見され、今回の鑑定で骨は美咲さんの可能性が高まった。県警は事件と事故の両面で調べているが、骨が見つかった場所は美咲さんが1人で向かったとされる小川とは逆方向になる。なぜ発見が今になり、この場所だったのか。

県警によると、骨が最初に見つかったのは、キャンプ場から約600メートル東の急な斜面の枯れ沢だった。その後、200~300メートル離れた急斜面で、美咲さんのものと類似する靴と靴下の片方や、肩甲骨の一部なども相次いで見つかった。

捜査関係者によると、頭の骨については死後数年が経過。県警は行方不明となった直後に何らかの事件に巻き込まれたか、事故に遭った可能性もあるとみている。

当時、警察や地元消防のほか、自衛隊も加わり大規模な捜索を実施。約2週間にわたり、延べ1700人が投入され、骨が発見された沢も含めて徹底的に捜索したが「手がかり」は一切つかめなかった。

その後もボランティアのほか、県警が節目に捜索を実施したが、何も見つからなかった。元埼玉県警捜査員で現場周辺を取材した佐々木成三氏は「捜索は骨ではなく美咲さんを捜すつもりで行うため、骨を見落とした可能性もある」とする。

骨や靴などが見つかった枯れ沢の周辺は、キャンプ場から美咲さんが向かったとされる小川とは逆方向だった。急斜面で自然が険しく、道に迷うボランティアらもいたとされる。佐々木氏は「美咲さんが自らあの急斜面の方向に向かうとは考えづらい」とし「当時はそこにはおらず、自然的または人為的に移ってきたのではないか」とみている。

山梨県警山岳遭難救助アドバイザーを務める山岳ガイドの竹内敬一氏は「何回も捜索した現場で人骨が発見されたのは、野生動物が運んだ可能性もある」とする。

大規模捜索が打ち切られた直後には、各地に猛威をふるった台風19号が襲うなどして岩や木々が流れ、地形的な変化も生じたほか、骨が見つかった地点は大雨の際に沢の流れが集まるような場所だったという。竹内氏は「今回見つかった骨や衣服だけが、大雨などによって別の場所から移動した可能性もあるのではないか」とも推察した。(王美慧、内田優作)

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