北朝鮮は12日午後6時28分ごろ、日本海に向けて弾道ミサイル3発を発射した。防衛省が発表した。日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられ、被害は確認されていない。政府は国連安全保障理事会決議に違反するとして、北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。
岸信夫防衛相は、防衛省で記者団に、弾道ミサイルは北朝鮮西岸付近から東方向に向けて発射されたと明らかにした。最高高度は約100キロ、通常の弾道軌道であれば約350キロを飛翔(ひしょう)し、北朝鮮東岸の日本海に落下したとみられると説明した。
今回の弾道ミサイル3発の発射は、同時に発射された数としては2017年3月に飛距離約1千キロの「スカッドER」を4発発射して以降では最多となる。
岸氏は「一連の北朝鮮の行動はわが国、地域および国際社会の平和と安定を脅かすものであり断じて容認できない」と述べた。
岸田文雄首相はミサイル発射を受け、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に迅速・的確な情報を提供するとともに航空機、船舶などの安全確認の徹底と不測の事態に備えて万全の態勢を取ることを指示した。
北朝鮮によるミサイル発射は巡航ミサイルも含め今年に入り15回目。10日に韓国で尹錫悦(ユン・ソンニョル)新政権発足後、初めてのミサイル発射となる。7日には、東部沖から日本海へ向けて潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられる短距離弾道ミサイル1発を発射している。