免許更新時の「運転技能検査」、違反歴ある75歳以上に義務付け

過去3年間に信号無視といった一定の交通違反歴のある75歳以上の高齢運転者を対象に13日から免許更新時に運転技能検査(実車試験)が義務付けられる。検査は免許有効期限の6カ月前から繰り返し受検可能だが、合格できなかった場合は、更新できない。自動ブレーキなど先進安全機能を備えた「安全運転サポート車(サポカー)」が条件の限定免許も同日始まる。(吉沢智美)

運転技能検査の対象となるのは、免許更新時の誕生日から160日前を起点として、そこから過去3年間に信号無視や逆走、速度超過といった11種類の違反をした人で、6カ月の受検期間を確保するため、10月12日以降に75歳以上の誕生日を迎える人となる。

こうした違反歴のある高齢運転者の死亡・重傷事故を起こす割合は通常の約2倍に高まるという。

警察庁は、免許更新を迎える7%程度にあたる約15万3千人が検査対象になるとみており、このうち約23%の約3万5千人が初回は不合格になると試算する。

検査の内容は、指示速度による走行▽一時停止▽右左折▽信号通過▽段差乗り上げ-となる。100点満点の減点方式で普通免許の合格は70点以上となる。検査手数料は3550円で、合格者は認知機能検査を行い、認知症の恐れがないとの判定後、高齢者講習を受け、免許が更新される。

制度の導入は高齢者らの身体的衰えに端を発した操作ミスなどによる悲惨な事故の抑制が目的だ。警察庁が、昨年に75歳以上の運転者が起こした死亡事故(二輪車・バイクを除く)308件の要因を分析したところ、最も多かったのが、ハンドルの誤作動やブレーキの踏み間違いといった「操作不適」で33・1%(102件)を占めていたという。

こうした状況から、検査では、更新前の一定期間に逆走や対向車線へのはみだし、信号無視などといった「兆候」(違反歴)があった人を対象にしている。

検査は、免許有効期限の6カ月前から受けられ、不合格でも更新期間内であれば、その都度、3550円の検査手数料を払えば、何回でも受検可能だ。

警察庁が令和2年に実施した調査によると、被験者218人に対して「運転技能検査の対象になり、受検した検査で不合格となった場合、どうしますか」という質問をしたところ「合格するまで受検し、同じ免許を継続する」は33・5%に達した。

「合格するまで受検し、サポカー限定免許に切り替え」も33%に上り、計6割超が合格するまで受検すると回答した。一方、「全免許をあきらめる」と回答したのは21・6%にとどまっていた。

サポカー限定免許は本人の申請で取得が可能だが、検査内容などは普通免許と変わらない。安全運転支援装置が搭載された普通自動車のみを運転することができ、後付けの装置については対象とはならない。サポカー限定免許でサポカー以外の普通自動車を運転した場合は、免許条件違反となる。サポカー限定条件付き免許の対象となる車両は8社の126車種で、警察庁はホームページで公開している。

対象となる装置は「衝突被害軽減ブレーキ」と「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」の2つ。日本自動車工業会によると、令和2年時点の乗用車の車両安全装置の装着車台数は、衝突被害軽減ブレーキが95・7%、ペダル踏み間違い時加速抑制装置は90・8%で、ほとんどの車に装着されている。

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