中国で、新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に押さえ込む「ゼロコロナ」政策が市民生活に影響を与えている。上海市ではロックダウン(都市封鎖)が長期化し、北京市など各地でも厳しい行動制限が課され、庶民に負担がのしかかる。習近平指導部は厳格なコロナ対策が奏功し、米欧に先駆けて経済・社会活動再開が可能になったと強調してきただけに、政治的な思惑が緩和への政策転換を難しくしている形だ。
「政府の指示に従うしかない」
労働節(メーデー)に伴う大型連休(4月30日~5月4日)明けの5日、北京市中心部の朝陽区にあるビジネス街・国貿(こくぼう)では、自転車で移動する人々の姿が目立った。