中国元大使「露敗戦は時間の問題」露の国際的地位低下も予測 ネットでは削除

8日、ウクライナの首都キーウ郊外で、破壊されたロシア軍の戦車の残骸に乗り、写真撮影のポーズをとる兄弟(AP)
8日、ウクライナの首都キーウ郊外で、破壊されたロシア軍の戦車の残骸に乗り、写真撮影のポーズをとる兄弟(AP)

【北京=三塚聖平】中国の高玉生・元駐ウクライナ大使(74)がこのほど、ウクライナ問題に関して「ロシアの敗戦は時間の問題だ」との論評を行った。中国のインターネット上では12日までに、同論評を掲載したサイトが削除された。習近平政権は、ウクライナ問題で実質的にロシア寄りの姿勢を見せており、政権と異なる見解の拡大を警戒したもようだ。

香港メディアなどによると、高氏が中国政府系シンクタンクでウクライナ情勢に関して発言した内容が中国のネット上で掲載された。高氏は在ロシア大使館での勤務などを経て、2005~07年に駐ウクライナ大使を務めた。

高氏は、戦況について「軍事、経済面などにおけるロシアの優勢は、ウクライナの頑強な反撃と、西側諸国の巨大で持続的、有効な援助により打ち消された」と分析。現代の戦争は、軍事、経済、政治、外交、宣伝、情報など多分野に及ぶ「混合(ハイブリッド)戦争」だとし、ロシアは軍事面だけでなく「その他の領域でも既に負けている」との見方を示した。

ロシアの衰退が西側諸国の制裁で進んでおり、プーチン露大統領の指導下で「ロシアの復興」は不可能だとの認識も披露した。

高氏は、ロシアのウクライナ侵攻について「冷戦後、最も重要な国際的な出来事だ。ポスト冷戦期を終結させ、新たな国際秩序を開く」と主張。今後、ロシアが重要な国際組織から追放され、国際的地位が低下すると予測した。

将来的に国際社会に与える影響として、米国とその他の西側諸国により国連などの国際組織の改革が進められるほか、民主や自由といったイデオロギーによる線引きが行われて「ロシアなど一部の国が排斥される」という可能性に言及した。

また、日本とドイツが第二次大戦の敗戦国という束縛から完全に脱却し、「軍備の拡大を加速させ、政治大国の地位を積極的に得ようとする」と予測した。

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