経済危機から政府への抗議活動が続くスリランカの国防省は10日、市民による略奪や破壊行為を確認した場合、発砲して抑止するよう治安部隊に命じた。ラジャパクサ大統領の辞任などを求める抗議活動の一部が暴徒化しており、治安維持強化を図る。
ラジャパクサ氏は11日、ツイッターで、経済危機や政治的問題を克服するため「今は全ての人が一致団結する時だ」と訴え、暴動に加わらないよう求めた。
地元メディアによると9日には各地で反政府デモ隊と支持派らが衝突し、これまでに与党議員ら8人の死亡が確認された。政権関係者らの家が燃やされるなどの被害も相次いだ。ラジャパクサ氏の兄マヒンダ氏は9日、一連の責任を取って首相を辞任した。
スリランカは中国への債務膨張に加え、新型コロナウイルス感染拡大による観光業への打撃から外貨不足が起きた。(共同)