ブリンケン米国務長官は10日、ロシアが侵攻するウクライナの指揮統制を混乱させるため、2月下旬に衛星通信のネットワークに攻撃を仕掛けたと非難する声明を発表した。攻撃によってウクライナ以外の欧州でも、風力発電や個人のインターネット接続などに使われる数万の通信設備に障害が起きたという。
欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表が10日に発表した声明によると、ロシアのサイバー攻撃は2月24日、ウクライナに侵攻する1時間前に米通信会社ビアサットの衛星ネットワークに対して行われていたという。
ブリンケン氏は声明で「米国は同盟・友好国と共にロシアの無責任な行動に対する防衛措置を取る」と強調し、サイバーの脅威の特定と復旧でウクライナを支援する新たな仕組みを構築すると明らかにした。
声明によると、ロシアは1月から「ウィスパーゲート」と呼ばれるマルウエア(悪意のあるソフト)などを使ったサイバー攻撃をウクライナ政府に続けているという。(共同)