ロシアによるウクライナ侵攻はルガンスク、ドネツクの東部2州での戦闘が膠着(こうちゃく)し、ロシアが意図した第二次大戦での対独戦勝記念日(9日)までの2州完全掌握には至っていない。むしろウクライナが押し返しており、戦争はさらに長期化の様相をみせている。投入できる地上兵力のほぼ全てをすでに展開させているロシアにとって、頼みとした雇い兵の供給も最近では途切れ、長期化は「敗北」への入り口に立つことを意味する。ただその場合、ロシアが戦術核兵器を使用する可能性が高まり、バイデン米政権は高度な政治判断を迫られることになる。
シベリアからも5万人
ロシアが軍事大国とされるのは、保有する5000発を超す核弾頭や極超音速ミサイルなどの兵器の強大さ故であり、地上兵力は実は意外なほど少ない。