北海道・知床半島沖の観光船「KAZU I(カズ・ワン)」の沈没事故を受け、小型旅客船の安全対策を議論する国土交通省の有識者検討委員会の初会合が11日、同省で開かれた。運航事業者の参入審査のチェック強化や国交省の監査の実効性を高める方策、船員の技量向上などを議論する。安全対策を総合的に検討し、今夏に中間とりまとめを公表する方針。
検討委のメンバーは海事法制や公共交通の安全対策に詳しい専門家や弁護士、地元観光船事業者の代表ら14人で構成。委員長には交通や公益事業に詳しい一橋大の山内弘隆名誉教授が選任された。
斉藤鉄夫国交相は会合の冒頭、「このような痛ましい悲惨な事故が二度と起きることのないよう、安全対策について徹底的な議論をお願いしたい」と述べた。
山内委員長は「原因を究明し、(再発)防止のために何をすればいいのか議論していく必要がある。一刻も早く議論を進めていきたい」と述べた。
事故は4月23日に知床半島西側で発生。これまでに14人の死亡が確認されたが、同28日を最後に不明者の発見は途絶え、残る12人の行方は分かっていない。