令和4年3月期連結の業績で過去最高を更新したトヨタ自動車だが、5年3月期は原材料価格の高騰などで減益を見込む。販売台数の増加や円安効果は追い風だが、鉄やアルミなどの原材料価格の高騰が本業のもうけを示す営業利益の押し下げ要因となる。11日の決算会見では価格転嫁の可能性についても示唆した。
「かつてない資材価格や物流費の上昇で減益を見込む」。トヨタ自動車の山本正裕経理本部本部長は11日の決算会見で、5年3月期の業績見通しについて、こう説明した。減益予想に落胆したのか、11日のトヨタの株価は前日比で4%も下落した。
4年3月期も原材料価格の高騰が営業利益ベースで6400億円を押し下げたが、今期は2倍以上の1兆4500億円を見込む。近健太副社長は「使用量を減らし、安価な材料にする取り組みを進めたい」と述べた。