【ニューヨーク=平田雄介】米コロンビア大は9日、優れた報道をたたえるピュリツァー賞を発表した。ロシアが侵攻したウクライナで爆撃や拉致、同僚らの死にさらされながらも恐ろしい現実を正確に伝え続けたとして「ウクライナのジャーナリストたち」を特別賞に選んだ。
選考委員会は、ウクライナ侵攻を「プーチン露大統領の無慈悲な侵略」とした上で、ウクライナの記者たちが示した「勇気と忍耐力、真実の報道への確固たる意志」をたたえた。同委員会によると、ウクライナでは記者12人が命を落としている。
最高の栄誉とされる公益部門には、2020年大統領選で敗北したトランプ前大統領の支持者たちが選挙結果を「不正だ」と主張して連邦議会議事堂を襲撃した昨年1月6日の事件を「米国の最も暗い日々」として説得的に伝えたワシントン・ポスト紙を選んだ。
国際報道部門では、イラクやシリア、アフガニスタンでの米軍の空爆による民間人の犠牲者数を積極果敢に報じ、軍の公式説明に疑義を唱えたニューヨーク・タイムズ紙を選出した。