主張

ロシア産石油禁輸 日米欧で包囲網を強めよ

先進7カ国(G7)首脳がロシアのウクライナ侵略に対する制裁強化の一環として、ロシア産の石油輸入を原則禁止することで合意した。日米欧が一致して、石炭に続いて石油の禁輸を打ち出すことで、ロシアの外貨収入手段に打撃を与えるねらいがある。

ロシア産石油の禁輸は当然だ。先進各国が制裁で足並みを揃(そろ)え、厳しい姿勢で対(たい)峙(じ)することが重要である。政府は国内市場への影響を軽減するため代替調達を急いでもらいたい。

ロシア産が日本の石油輸入に占める割合は4%程度だが、岸田文雄首相や萩生田光一経済産業相はこれまで禁輸に慎重姿勢を示してきた。

米国や欧州連合(EU)が輸入禁止を相次いで表明したのを受け、ようやく方針転換した。

国際政治や経済における日本の存在感は小さくない。欧米に追随するのではなく、ロシアの侵略を阻むために何ができるのかを、もっと自主的に考え、行動しなければだめだ。

三井物産と三菱商事が権益を持つサハリン2からの液化天然ガス(LNG)輸入は全体の約9%を占める。岸田首相はこの権益を維持すると表明したが、日本がエネルギー輸入によって「侵略の戦費」をロシアに支払うのはおかしい。LNG輸入も停止し、対露制裁の実効性を高めるべきだ。

G7各国は共同声明で、実際の石油禁輸には段階的な輸入禁止も含め、新たな調達先を探す時間を確保することでも合意した。

オンライン首脳会議への参加後、岸田首相は「大変厳しい決断だがG7の結束が何よりも重要なときだ」と説明し、国民に理解を求めた。輸入停止時期は「実態を踏まえて検討する」と述べた。

当面は中東からの調達に切り替える方針だが、すでに中東産石油の輸入割合は8割超だ。多様な調達先を探してほしい。

世界各国は、地政学リスクを考慮した新たなエネルギー安全保障を検討している。

国際秩序を破壊したロシアから、戦費調達を許す資源輸入を継続することは、日本の国益を守ることにもつながらないと岸田首相や萩生田経産相は銘記すべきだ。萩生田氏が兼務する「ロシア経済分野協力担当相」のポストをいつまで残すのか。無用であり、即刻廃止してもらいたい。

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