埼玉県議会自民会派、LGBT条例案提出へ

埼玉県議会最大会派の自民党議員団は、同性愛者など性的少数者(LGBT)への理解増進を図る条例案を6月定例会に提案する方針を決めた。複数の会派所属議員が10日、明らかにした。自民党は昨年、同様の趣旨の法案の国会への提出を目指したが、党内保守派の懸念を背景に意見調整が難航し、提出を見送った経緯がある。「鬼門」ともいえる政策課題だけに、条例案提出に向けては曲折も予想される。

議員団は、昨年にプロジェクトチームを発足させ、当事者らの声を聞くなどして条例の骨子案をまとめた。

骨子案は、基本理念として、あらゆる場面で性の多様性が尊重され全ての人が安心して生活できるよう、理解増進の取り組みが行われなければならないと定めた。その上で、性的指向や性自認を理由に差別的取り扱いなどをしないよう県民らに求める内容だ。県に対しては、性の多様性の理解増進に関する施策推進の計画を策定し、LGBTカップルを対象にした「パートナーシップ制度」の整備などを要求する。

条例化の意義について、骨子案の策定に携わった渡辺大県議(47)は「当事者にとっての不都合、不合理を解消する」と説明する。県内の自治体でパートナーシップ制度導入が進んでいる状況や、令和元年の知事選でLGBT支援を公約に掲げた大野元裕氏が初当選したことも後押しとなったという。

また、別の県連関係者は、「時流」に乗ることで「党の支持拡大につながるかもしれない」と指摘する。夏の参院選や次期衆院選を見据え、支持層の裾野を広げようというわけだ。

もっとも、国会への法案提出をめぐって議論が紛糾したのと同様、県議会の議員団内にも異論がくすぶっている。

議員団幹部によると、「性差はあって当然。急に変えようとすれば日本社会の根幹が崩れかねない」と慎重論を唱える議員は少なくない。党県連が4、5月に実施した骨子案に対するパブリックコメント(意見公募)でも賛否は割れていたという。ある県議は「きちんとまとまらないままで進めばしこりが残る」と懸念する。

渡辺氏は、国会への法案提出見送りについて「法律だと効力が強い」として一定の理解を示す。その上で、条例案提出に向け「議論を重ねてきちんと意見を集約したい」と強調した。(中村智隆)

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