武蔵野市条例案、運動激化で衝突も 17人立件

住民投票条例案を否決した武蔵野市議会の本会議(酒巻俊介撮影)
住民投票条例案を否決した武蔵野市議会の本会議(酒巻俊介撮影)

東京都武蔵野市が昨年市議会に提案した外国人と日本人を区別せずに投票権を認める住民投票条例案をめぐり、警視庁が10日、成立に反対する市民団体のデモに反対するため道路に寝そべるなどした30~60歳代の男女17人を道路交通法違反容疑で書類送検した。条例案をめぐっては、その危うさや周知不足を指摘する反対派と、賛成派の間で、議論を二分する論争が続いたほか、デモや署名活動では小競り合いも常態化。市民生活に支障をきたすような場面もみられたという。

条例案は市内に3カ月以上住む18歳以上の日本人に加え、留学生や技能実習生ら外国人にも投票を認める内容で、松下玲子市長が「多様性を認め支え合うため市民の意見を適切に市政に反映する仕組みが必要だ」として、昨年11月に開会した市議会に提案した。

これにより、市長の提案に賛同する市民らと、「(外国人の投票権には永住者に限定するなど)一定の基準を設けるべきだ」などとする反対派の市民らとの間で議論が起こった。

関係者によると、賛成派と反対派が、市内の主要駅前で拡声器を持ち、互いに道行く人に主張を訴えるなどにらみ合いが続き、次第に両派の間で小競り合いも確認されるようになった。反対運動に参加した30代の男性は「『1人だと危険な目に遭うかもしれない』と警察官に言われ、街頭での訴えを中止したこともあった」と語る。

警察官が出動し、両派が交わらないように警戒する場面もみられたが、問題の昨年12月4日の反対派デモでは、賛成派の一部が警察官の制止を無視し、道路に寝そべってバスの往来を妨害するなどしたという。

市民を二分する議論が続いたが、条例案は昨年12月21日の市議会本会議の採決で否決された。

「賛成、反対にかかわらず一般の方に迷惑をかける行為は許されない」。捜査関係者は、こう話している。

<独自>武蔵野市の住民投票条例反対デモを妨害、男女17人を書類送検 警視庁

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