茶の生産がさかんな静岡県牧之原市に住む山本辰治(たつじ)さんは93回目の誕生日を迎えた今年3月28日を機に運転免許の更新はせず、返納することを決めた。「病気をしてから歩くことが大変で、足がふらつくこともあった。車がないのは非常に不便だが、事故は困るので返納を決めた」という。
4年前、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)の手術をしてから足腰に痛みを感じるようになった。昨年からは運転をほとんど控え、自宅から300メートル先の裏山の畑に行くときだけ軽トラックを運転していた。
ここでは、車は重要な生活の一部だ。自宅から最寄り駅までは車で20分。バスも満足に通っておらず、1人1台の車を持つ家庭も珍しくはない。