韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は9日、退任を前にソウルの大統領府で最後の演説を行った。5年の任期を振り返り、南北対話の契機となった2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪の成功を挙げ「高まった朝鮮半島の戦争危機を対話局面に転換した」と述べた。
文氏は18年に南北首脳会談を3回行い融和ムードが高まったが、米朝首脳再会談の決裂後に南北関係も膠着(こうちゃく)。次期政権に向け「南北対話の再開とともに非核化と平和体制の構築に向けた努力が続くことを願う」と訴えた。
19年の日本による半導体材料の対韓輸出規制強化を「国民が団結して克服したことも忘れられない」と述べ、製造業の競争力強化につながったと強調した。韓国では、輸出規制強化は元徴用工訴訟に対する報復措置と受け止められている。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領は10日に就任する。(共同)