大阪府大東市は戦国時代の山城「飯盛城」を舞台にしたスマートフォンアプリ「よみがえる飯盛城~『天下人』三好長慶(ながよし) 最後の居城」を制作した。飯盛山上で起動すると目の前に御殿や高櫓(やぐら)が出現。三好長慶との記念撮影や城攻めのゲームも楽しめる。市は「広大な城郭、山上からの眺望を体感してほしい」としている。
飯盛城跡は大東、四條畷両市の3年間の調査で、飯盛山(約314メートル)の広い範囲に石垣を築いた東西約400メートル、南北約700メートルの巨大山城とわかった。
戦国武将、三好長慶生誕500年を記念 記念撮影やゲームも
昨年10月の国史跡指定、今年の長慶生誕500年を記念して城跡を広く知ってもらおうと、大東市が3DCG(立体コンピューターグラフィック)やVR(仮想現実)、AR(拡張現実)機能を持つアプリと動画づくりに取り組んだ。制作費は約670万円。
グラフィックは滋賀県立大の中井均名誉教授の監修を受け、長慶が畿内支配の拠点とした1560年代の飯盛城を再現。アプリを使うと現地の風景とCGの御殿や城門が重なって画面にあらわれ、解説を楽しみながら散策でき、上空から見下ろすこともできる。画面は360度対応で、山頂から当時の地形や現在の街並みを比較しながら見渡すことが可能だ。
石垣上や櫓から鉄砲や矢を放ってくる城兵を倒すゲームや、長慶と長慶に仕えた松永久秀が画面に出現して一緒に記念撮影ができる機能も備え、専用地図のマーカーをアプリで読み込むと、現地に行かなくてもCGが楽しめる。
城跡を調査した市生涯学習課の李聖子さんは「飯盛城の規模や細部が可能な限り忠実に再現されている。中世の巨大山城の姿を楽しみながら広く理解してもらえるのでは」と話す。
アプリと動画(無料配信中)は英語と中国語にも対応。市は今後、現地ツアーやスマホと連動するVRゴーグルの開発も進める。アプリの入手方法などは市ホームページで。