北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズ・ワン)」が沈没した事故で、第1管区海上保安本部(小樽)は9日、専門業者「日本サルヴェージ」が深い海で長時間作業が可能となる「飽和潜水」を行うのに必要な資機材を載せた作業船など2隻が北九州市の門司港を10日に出航すると明らかにした。海上保安庁が沈没した船内外の調査のため同社と契約していた。
松野博一官房長官は9日の記者会見で、小型旅客船の安全対策を議論する国土交通省の有識者検討委員会の初会合を週内に開くと明らかにした。北海道の地域事情に詳しい専門家も委員に含まれるという。
14人が死亡、12人が行方不明となっている。不明者の発見は4月28日が最後で、捜索は膠着(こうちゃく)状態に陥っている。10日に門司港を出る多目的作業台船「海進」(2973トン)と引き船「早潮丸」(322トン)の現場海域への到着は5日以上かかる見込み。船内捜索が大幅に進展することが期待される。