ウクライナ侵攻の長期化がロシア軍を苦しめている。戦車など主要兵器の損失はウクライナ軍を大幅に上回り、兵士の犠牲者数も過去の軍事侵攻を超えたとみられる。ウクライナが欧米諸国の軍事支援を受ける一方、ロシアは経済制裁で兵器の生産が思うように進まない実態も浮かび上がっている。
軍事情報サイト「Oryx」によれば、8日までの露軍の損失は戦車635両、自走砲106門、多連装ロケット砲62門などで大半の兵器でウクライナ軍の損失を大幅に上回った。露軍兵士の死者数も、英国防省は4月下旬に約1万5000人と推計しており、侵攻開始からわずか2カ月あまりで約10年間続いたアフガニスタン侵攻(1万4453人)を上回ったもようだ。米政府は露軍が侵攻に投じた戦力の約4分の1を失ったと推計する。
露軍の損失拡大は、欧米がウクライナ軍に供与した武器の有効性や、露軍の戦略ミス、兵士の士気の低さなどが要因と指摘される。