本当に安全?大麻草抽出成分「CBD」入り製品の流通加速

CBDを入れたクッキーやチョコレート、グミなどのお菓子を販売している大阪市内のカフェ=大阪市中央区
CBDを入れたクッキーやチョコレート、グミなどのお菓子を販売している大阪市内のカフェ=大阪市中央区

食品や化粧品などを中心に、急速に流通し始めた大麻草抽出成分の「カンナビジオール(CBD)」。炎症の鎮静やリラックス効果があるとされる一方、健康被害に関する相談が増えている。違法な成分が混入される事例も確認されており、厚生労働省は「販売元をしっかりと確認した上で購入してほしい」と注意を呼びかけている。

「CBD」は規制対象外

大麻取締法では、幻覚作用などがある「テトラヒドロカンナビノール(THC)」が多く含まれる大麻草の葉や根などを規制している。一方、大麻草の種子や成熟した茎から抽出されるCBDはそうした作用がなく、規制の対象外となる。

欧米ではすでにCBDを含有した「難治性てんかん」の治療薬が承認され、日本でも今後臨床試験を実施する見通しだ。厚労省は大麻由来の医薬品の実用化に向けて大麻取締法を今秋にも法改正する意向を示しており、それに合わせて化粧品や食品などを中心にCBDを使った製品の流通は急増している。

ただ、安全性には課題も残る。CBD製品に関して、令和3年に東京都消費生活総合センターに寄せられた相談は64件あり、このうち5件は喉の痛みやめまい、頭痛といった健康被害を訴えるものだった。

違法成分混入も

海外における大麻草の規制基準は日本と異なり、製造過程で微量のTHCが混入した製品が輸入されている可能性もある。実際、令和2~3年にはTHCが混入されているとして、厚労省がオイルなどのCBD製品を回収している。

厚労省の担当者は「THCが検出されたCBDは『大麻』に該当する疑いがあり、知らないうちに密輸をしてしまう可能性もある」と警鐘を鳴らす。

一方、大麻使用に対するハードルを下げる恐れもある。大麻を所持したとして昨年9月に警視庁に書類送検された元力士の貴源治は、緊張をほぐしたり、筋肉痛を和らげたりするために、CBDオイルを使用していたという。貴源治は動画投稿サイトで「CBDがいいんだったら大麻もいいんじゃないかと思って手を出した」と当時を振り返っている。

違法薬物に詳しい近畿大の川畑篤史教授(薬理学)はCBDのこうした危険性を指摘した上で、「さまざまな製品が輸入されている中、国が法改正でどこまでを承認するのか注視する必要がある」と話している。(石橋明日佳)

大麻草抽出成分「CBD」入りコーヒーやクッキー売る店も

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