国連食糧農業機関(FAO)当局者は6日の記者会見で、ロシア軍が侵攻したウクライナから約70万トンの穀物を略奪した可能性を指摘した。「トラックで穀物をロシアに運び入れている事例を確認している」と述べ、トラクターなどの「農業機械も盗んでいる」とした。
またロシア軍による海上封鎖で黒海沿岸の港湾施設が使用できないことにより、船舶を利用した穀物輸出ができない状態になっていると指摘。世界的な穀物の供給悪化と価格高騰に拍車がかかることに懸念を示した。
ウクライナではこれまでに、今年の夏の収穫に向けた作付けの約50%が完了。今年の収穫は例年の約7割になる予測で、戦況が悪化すれば見通しは不透明になるとFAO当局者は指摘した。(共同)