『STRESS FREE』オリヴィア・リームス著、三輪美矢子訳(ポプラ社・1650円)
やる気がなかなか出ない、孤独を感じる、心配ごとが頭から離れない…。私たちは、こうした「ネガティブな感情」を抱きがちです。
ケンブリッジ大学でメンタルヘルスを10年ほど研究している著者のオリヴィア・リームスさんは、こうしたネガティブな感情は9つに分けられ、すべて科学的に解決できる、と言います。
たとえば、やる気がなかなか出ない時は、先延ばしをやめて(下手でもいいから)始めてみる。そうすると思ったよりもうまくいくと言います。
寂しさを感じる時は、自分はどんな人間かと考えるのではなく、どんなことをしているのか、「行動」に意識を向けるといいそうです。知らない人に話しかける、というのもそのひとつ。
電車で見知らぬ人に話しかけるという実験で「今までになくポジティブな気分で通勤時間を過ごせた」という研究結果も紹介されています。
「科学的データに基づき説得力が半端ない」と脳研究者の池谷裕二さんが推薦文を寄せてくださったように、本書で紹介する63のメソッドは科学的根拠に基づいています。 私も、うまくいかなくてもいいやと自分に言い聞かせ仕事に挑戦したり、挨拶だけだった人に話しかけてみたり、効果を実感しています。
本書を手に、日々の悩みを解消するための一歩を踏み出していただけたら、うれしいです。ご自身に合うメソッドを見つけていただけるのではないかと思っています。
(ポプラ社一般書企画編集部 近藤純)