国連安全保障理事会が6日、ロシアによるウクライナ侵攻に関してグテレス事務総長による平和的解決への取り組みに支持を表明する議長声明を出したことに関し、政策研究機関「国際危機グループ」のリチャード・ゴーワン国連担当部長は「ロシアが議長声明の文言に同意したことは希望の兆候だ」と指摘した。
ゴーワン氏の主な発言は以下の通り。
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今回の議長声明は、これまでの和平交渉で重要な役割を果たしてこなかった国連が、今後はより大きな政治的役割を果たすことができるかもしれないことを示している。
グテレス氏は、4月のモスクワとウクライナへの訪問で、東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所から民間人を避難させることでロシアから原則合意を得た。
この小さな成功を糧に、同氏が平和創造でより大きな役割を果たすことを安保理の理事国は期待しているのだろう。
議長声明は、グテレス氏が将来的に平和構築の努力を模索するための基礎を作るものだといえる。
ただ、今はロシアもウクライナも戦場での勝利に焦点を当てたままだ。国連事務総長は奇跡を起こせない。国連主導の調停について話を始めるのは時期尚早で、同氏は当面、ウクライナの人道問題に集中することになるだろう。