岸防衛相が北ミサイルを非難 米大統領訪日も控え

防衛省で記者団の取材に応じる岸防衛相=7日午後
防衛省で記者団の取材に応じる岸防衛相=7日午後

岸信夫防衛相は7日、北朝鮮が同日発射した弾道ミサイルについて、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)で、約600キロ飛翔(ひしょう)し、最高高度は約50キロに達したとの分析を明らかにした。防衛省は日本の排他的経済水域(EEZ)外の北朝鮮東岸付近に落下したと推定している。

日本政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。

北朝鮮がSLBMを発射するのは昨年10月以来。今月4日にも弾道ミサイルを発射している。10日には韓国で尹錫悦(ユンソンニョル)次期大統領の就任式が予定され、20日からはバイデン米大統領の日韓訪問を控える。相次ぐミサイル発射には日米韓を揺さぶる狙いがありそうだ。

岸氏は核・ミサイル開発をめぐる「一連の北朝鮮の行動はわが国、地域および国際社会の平和と安全を脅かすもので断じて容認できない」と強調。「国連安全保障理事会決議に違反するものであり強く非難する」と述べた。

核実験をめぐり米国務省は、北朝鮮が北東部の豊渓里(プンゲリ)で進めている核実験の実施準備が5月中にも完了するとの米政府による分析を明らかにしている。

岸氏は「米国と同様の認識を有している」と言及。「早ければ5月中にも核実験を実施するための準備が整う可能性はある」とした。その上で「(北が)核開発を継続的に行っていく意図を有していることは明らかだ」と非難。「今後、核実験の実施も含めてさらなる挑発行動に出る可能性もある」と述べた。

会員限定記事会員サービス詳細