太陽光や風力を利用した再生可能エネルギー事業が拡大する中、今年に入り中国企業が日本の洋上風力発電事業を受注したことが報じられ、関係者に波紋を広げている。中国資本が太陽光発電事業でわが国に手広く進出していることは、昨年11月22日付本紙で報告したが、洋上風力発電にも手が伸びてきたのか。日本の沿岸で何が起きようとしているのか、検証する。
日本にメーカーなく
中国資本が参入すると経済紙が伝えたのは、富山県入善(にゅうぜん)町で進められている洋上風力発電事業。再生可能エネルギー事業を展開する「ウェンティ・ジャパン」(秋田市)が、60億円をかけて洋上風力発電所を建設、運営するプロジェクトだ。EPC(事業の設計、風車などの調達、建設)を担当する清水建設が、設置が予定されている3千キロワット級の風車3基を中国の風力発電大手「明陽智慧能源集団」(明陽智能)に発注したというのだ。