夏の参院選京都選挙区(改選数2)が全国有数の激戦区となりそうだ。6日には日本維新の会の公認候補を国民民主党が推薦することで合意した。自民、立憲民主、共産の各党が争う構図に維新が加わり、選挙協力をしてきた旧民主党系の立民と国民民主は対立。立民に代わり野党第一党の座を狙う維新の参入は、従来の選挙区構図を変える台風の目になり得る。
「日本の政治を変える意味で、大きな目標を立てて旗のもとに集う仲間を増やすことが肝要だ」。6日、京都市内で会見した維新の馬場伸幸共同代表はこう強調した。
同席した国民民主の前原誠司代表代行も「政治を変えていくための一つの戦いの場としてベストな選択をした」と語り、両党とも自民への対決姿勢を打ち出した。
これまで京都選挙区の1議席は自民が確保。残る1議席をめぐり野党各党がしのぎを削ってきたため、全国への勢力拡大を狙う維新には「近くて遠い」(藤田文武幹事長)存在だった。
だが昨秋の衆院選で潮目が変わった。維新は比例代表票で府内の有効投票数のうち、自民(29・15%)に次ぐ23%を獲得。今年4月の府議補選でも維新新人が自民、立民、共産の3候補を破った。
維新は参院選で5選挙区を重点区としているが、京都は「最、最、最重点選挙区」(藤田氏)に設定。立民に代わる野党第一党を目指す維新にとって、立民の泉健太代表の地元であり、前幹事長の福山哲郎氏が立候補予定の京都での議席獲得は大きな意味を持つ。
ここで鍵を握るのが、京都で圧倒的な地盤を誇る前原氏の存在だ。馬場氏は、4月の公認候補擁立の会見でも前原氏の名前を連呼し「政策をめぐり深い関係を築いている」と強調した。
立民と国民民主を支援する連合京都の呼びかけに応じなかった背景には、令和元年の前回参院選をめぐる「しこり」があるとされる。「京都は立民、静岡は国民民主」と一本化を前提としていたものを幹事長だった福山氏が覆し、「前原氏との確執が深まった」(立民関係者)という。
そうした中、今回の京都選挙区では、維新と国民民主の利害が一致。会見後に前原氏は「旧民主党系が力を合わせても、今の政治状況を変えるには力不足だ」とし「維新は中道改革を担う大きな極だ。力を合わせることが日本の政治を変えることになる」と語った。(北野裕子、平岡康彦)