ウクライナで国際法違反「180件裏付け」 国連

露軍の攻撃で破壊された建物を見上げる人=5日、ウクライナ・ボロディアンカ(ロイター)
露軍の攻撃で破壊された建物を見上げる人=5日、ウクライナ・ボロディアンカ(ロイター)

【ニューヨーク=平田雄介】国連のバチェレ人権高等弁務官は5日、安全保障理事会へのオンライン報告で、ウクライナに侵攻したロシア軍による自治体幹部や記者らの恣意的な拘束や強制失踪など国際法違反が疑われる事案のうち、「180件を証拠で裏付けた」と述べた。今後も証拠を集め、国際刑事裁判所(ICC)主任検察官らの捜査に協力するとしている。

報告によると、国連人権高等弁務官事務所傘下のウクライナ人権監視団が現地調査を行った。東部のハリコフやドネツク、ルガンスク、南部のザポロジエやへルソンで恣意的拘束などを裏づけ、5人の死亡を確認した。別に8人が拉致された疑いがあるという。

監視団は、ロシアがウクライナのクリミア半島を併合し東部紛争を起こした2014年に発足。今年2月の露軍侵攻後は「戦争犯罪」に相当する事案を検証している。バチェレ氏は4月22日、露軍が首都キーウ(キエフ)近郊のブチャで民間人約50人が「処刑」を含む違法な手段で殺されたと発表していた。

バチェレ氏によると、キーウ近郊ではロシアやベラルーシへ連れ去られた男性もいた。露軍占領下で女性たちが露軍兵士にレイプされたとの証言のほか、捕虜の拷問や虐待、処刑の証拠も入手したとし、報告書を6月の国連人権理事会へ提出するとした。

グテレス事務総長も報告に立ち、アゾフスタリ製鉄所を含む東部マリウポリの市民を退避させる「3度目の作戦を実行中だ」と明らかにした。今月に入り、500人近い市民をマリウポリや周辺地域から救出したとしている。

会員限定記事会員サービス詳細