在中国のEU企業の2割が中国撤退など検討 「ゼロコロナ」敬遠

PCR検査を受ける市民ら=29日、北京市朝陽区(共同)
PCR検査を受ける市民ら=29日、北京市朝陽区(共同)

【北京=三塚聖平】中国の厳格な新型コロナウイルス対策を受け、在中国の欧州連合(EU)商工会議所の会員企業の23%が、中国市場からの撤退や投資計画の見直しを検討していることが6日、分かった。同商工会議所の調査で明らかになった。ロックダウン(都市封鎖)が続く上海市の日系企業などで構成する団体も、1割の企業が駐在員の避難などを検討中との調査結果を出した。「ゼロコロナ」政策に基づく強権的な対策が、外資企業の懸念を招いている。

商工会議所の調査は4月下旬に実施し372社から回答を得た。うち86社が現在や今後の対中投資計画を他国市場に移すことを検討していた。厳しい感染対策のため、「安定性や予測可能性がより高いビジネス環境を探している」という。

対策強化で中国の投資先としての魅力が低下したと答えた企業は8割近くに達し、77%の企業が中国のコロナ政策には変化が必要だと訴えた。商工会議所のウトケ会長は「今の状況が続けば中国市場に代わる他のプランの評価が始まる」と表明した。

今月5日には上海日本商工クラブも、4月下旬に上海に拠点を置く日系の製造・非製造業の計100社から回答を得た調査で、全体の11%が駐在員の臨時帰国や避難を予定・検討していると発表した。「食料も少なく購入に苦慮。肉体的、精神的に苦痛を強いられている」といった声も上がった。

上海に工場を持つ54社のうち63%が「工場が全く稼働していない」とも回答した。上海では3月下旬からロックダウンに伴う厳しい移動制限が続いており、企業は「出勤不能」「生産が止まり、日本向け加工品の輸出が完全にストップした」などと苦境を訴える。

対中投資をめぐっては今年2月、海外投資家による中国債券の保有残高が約3年ぶりに減少に転じた。ロシアのウクライナ侵攻に加え、ゼロコロナ政策を警戒して中国から投資マネーが流出しているという分析がある。上海株式市場では4月26日、代表的な指標である上海総合指数が約1年11カ月ぶりの安値となった。

外資の懸念を前に、中国共産党の習近平指導部は今月5日に開いた党政治局常務委員会議で、ゼロコロナ政策について「われわれの政策は歴史の検証に耐えうるものだ。上海防衛戦にも必ず勝つことができる」と堅持方針を改めて示した。

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