プロ野球は5日、ベルーナドームなどで6試合が行われ、西武はロッテを7-0で下した。
久しぶりの一発を「変な感じ」と振り返った。1-0の六回2死一、二塁、西武の中村が放った打球は、97打席目で待望の今季1号3ランとなった。「ベースランで『どうやって走っていたのかな』と思いながら走っていた」。忘れかけていた感触を思い出しながらダイヤモンドを1周した。
本塁打王6度を誇る大打者も、今季は調子が上がらず、打率は1割台。「(本塁打よりも)しっかりとした打撃ができていなかった。『何とか普通の打撃ができるように』と思ってやっていたが、なかなか出ずにしんどかった」と振り返る。
それでも4月終盤からは安打も出るようになり「徐々に良くなっている感じはあった」。前打者の山川が申告敬遠され迎えた六回の打席も「僕が相手ベンチにいても敬遠させる」と冷静に受け止め、甘い変化球を見逃さずに仕留めた。
この日は「こどもの日」。息子には「ホームラン、打ってよ」とせがまれるという。「いい場面で回ってきて、たくさんの子供たちが応援に来てくれている中で打ててよかった」。ヒーローになった〝パパ〟は、いつになく冗舌だった。
チームは再び5割復帰。山川にも本塁打が飛び出し「ホームランはすごく盛り上がる。われわれとしても最高の試合だった」と辻監督。球場で声援を送った子供たちも、最高の思い出ができたに違いない。(神田さやか)