「カネ余り相場」終焉へ 景気腰折れに身構える投資家

米首都ワシントンにある米連邦準備制度理事会(FRB)本部=3日(共同)
米首都ワシントンにある米連邦準備制度理事会(FRB)本部=3日(共同)

米連邦準備制度理事会(FRB)は4日、金融引き締めのアクセルを踏み続ける姿勢を鮮明にし、投資家は新型コロナウイルス禍でも市場を支えてきた「カネ余り相場」の終焉(しゅうえん)に身構えている。歴史的なインフレに気を取られ、景気を腰折れさせるのではとの疑念が拭えないからだ。過去にも世界経済を混乱させてきた米国の利上げにウクライナ危機が重なり、市場の先行きへの懸念は強まっている。

「(0・75%の利上げについて)積極的に検討していない」

FRBのパウエル議長が連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、より急進的な利上げに慎重な発言をすると、米国株は急伸、対ドル円相場は一時1ドル=128円台後半まで急騰した。だが、「決して投資家が警戒心を解いたわけではない」というのが多くの市場関係者の声だ。

というのも、昨年11月まで、足元の物価上昇を「一過性」と言い切っていたパウエル氏の判断能力に、懐疑的な見方があるからだ。対応の遅れが傷口を広げ、米国は年内に0・5%の大幅利上げを複数回繰り返す「史上最速ペース」の金融引き締めに迫られている。

米国がコロナ禍で導入した大規模な金融緩和を正常化することで、「緩和マネー」で膨れ上がった異常な相場は終わる。お金の流れが世界的に逆流することでさまざまな副作用を生む。

まず懸念されるのは新興国からの資金流出だ。金利が上がり資産運用で有利なドルを買う動きが強まり、カネ余りで資金が流入していた新興国は急速な通貨安に見舞われる。各国が通貨防衛のため無理に利上げに付き合えば、世界的な景気後退につながりかねない。

金融緩和を続ける日本にとっても、米国との金利差拡大は円安を進める。輸入コストが上昇し、企業業績や暮らしへの打撃となる。

米資産運用最大手も現金の保有比率を引き上げるなど、〝嵐〟に備える動きが加速している。エコノミストの豊島逸夫氏は「ウクライナ情勢とコロナ禍という2大リスクを抱える中での(FRBの)政策の急転換は危うい」と警告する。(米沢文)

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