露、核可能ミサイル模擬演習 「人道回廊」は不透明

2022年1月、ロシアでの演習で発射態勢をとる弾道ミサイルシステム「イスカンデル」。キンジャールのベースとなっている(ロシア国防省提供=AP)
2022年1月、ロシアでの演習で発射態勢をとる弾道ミサイルシステム「イスカンデル」。キンジャールのベースとなっている(ロシア国防省提供=AP)

ロシア国防省は4日、ポーランドに接する西部カリーニングラードで、核弾頭を搭載可能な弾道ミサイル「イスカンデル」の模擬発射演習を実施したと発表した。ウクライナに武器を供与する米欧を威圧する思惑だとみられる。一方、ウクライナ部隊や市民が籠城する東部マリウポリの製鉄所には露軍が侵入し、敷地内で激しい戦闘が発生。露国防省は5~7日に市民を退避させる人道回廊を製鉄所に設置すると発表したが、機能するかは不透明だ。

露軍は5日にかけてもウクライナ東部などに攻撃を継続。東部クラマトルスクでは4日夜のミサイル攻撃で市民25人が負傷した。

イスカンデルの演習は、ロシアが核兵器や生物兵器で攻撃されたことを想定し、「電子発射」と呼ばれる実弾を使用しない形式で実施。カリーニングラードに近いラトビアのメディアは「武器供与を警告するロシアから米欧へのシグナルだ」との見方を示した。

マリウポリの製鉄所に籠城するウクライナ部隊指揮官は4日、敷地内に侵入した露軍と「血の降るような戦い」が続いていると明らかにした。ウクライナメディアが伝えた。インタファクス通信によると、露国防省は同日夜、5~7日の午前8時~午後6時、製鉄所内の市民退避のため攻撃を停止すると発表。製鉄所からは市民100人以上が退避したが、現在も約200人が残っているとされる。

プーチン露大統領は先月下旬、ショイグ国防相に製鉄所への突入を禁じ、包囲するよう命じた。しかし、市民の退避が進み次第、残存部隊を掃討する方針に切り替えた可能性がある。

一方、ペスコフ露大統領報道官は4日、9日の第二次大戦の対ドイツ戦勝記念日にプーチン氏が国家総動員令を発令する可能性がある-とする観測が出ていることについて、「ナンセンスだ」と完全否定した。

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