中露艦艇の海峡通過が増加 昨秋以降 今年は倍ペース

ロシアや中国の海軍艦艇による海峡通過が今年1~4月の4カ月間で22回に及び、例年のほぼ倍のペースで推移していることが5日、分かった。防衛省の発表を基に産経新聞がまとめた。2月のウクライナ侵攻前後にロシア艦艇の通過が急増した。例年秋に行われる日米合同訓練にかけて増加する傾向があり、今年はさらに活発化する恐れもあるとみて、防衛当局は警戒監視を強めている。

防衛省はロシアや中国の海軍艦艇による日本周辺での海峡通過などが確認されれば基本的に公表する。ただ、公表しないケースもあり年間の回数などはまとめていない。

今年1~4月の中露艦艇による海峡通過は中国12回、ロシア10回で計22回。昨年まで3年間の同時期は中露合わせて9~12回だったため、ほぼ倍のペースで増えた。2月16日にロシアのミサイル護衛哨戒艇など9隻が宗谷海峡を西へ通過して以降、3月下旬にかけて9回と集中した。

ロシア艦は宗谷海峡を通過することが多いが、侵攻前後では津軽海峡を3回通った。甲板に車両を満載した戦車揚陸艦も確認された。海軍の拠点がある北方領土方面から極東ロシア方面への最短コースで、ウクライナへ運ぶ兵員や装備品、物資などを輸送した可能性がある。

過去3年の年間回数では昨年62回(中36、露26)、令和2年36回(中17、露19)、元年52回(中国28、露24)と両国で同様の傾向がみられる。

特に昨年9~12月にかけては中露とも増えた。10月には中露の駆逐艦各5隻が津軽海峡から太平洋へ抜け、大隅海峡から東シナ海へ入る本州周回ルートを共同で航行した。中国は沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を通過するケースが多く、対馬海峡は中露ともみられた。

近年は中露とも情報収集艦が増加。中国艦はフリゲート艦1隻で短時間に同じ海峡を往復するケースが散見され、挑発行動とみられるほか、測量艦による領海侵犯も相次いでいる。ある防衛省幹部は「こちらの出方をうかがう目的もあるだろう。きちんと監視していることを伝える必要がある」と話した。

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