【ワシントン=塩原永久】訪米中の萩生田光一経済産業相は4日、グランホルム米エネルギー長官と会談した。ロシアによるウクライナ侵攻を受け「エネルギー安全保障を堅持していくことの重要性」を認識するとの共同声明を発表。萩生田氏は、燃料調達の対露依存を減らす西側諸国の取り組みを踏まえ、米国側に液化天然ガス(LNG)の増産を要請した。
米政府はロシア産の供給不足解消に向け、国内企業に増産を促している。萩生田氏は記者会見で、米国のLNG開発計画に参加する日本企業への融資などを通じて、日本として米国の増産を支援する立場を伝えたことを明らかにした。
一方、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長がロシア産石油の禁輸を提案。バイデン米大統領は4日、先進7カ国(G7)と連携して追加制裁について検討する意向を表明した。
これに関連し、萩生田氏は会見で、圧力強化に向けて「方向性はまず共有したい」と述べる一方、「日本は資源に限界があり、ただちに足並みをそろえてというのは難しい」と指摘。ロシア産の禁輸実施は日本として当面は困難だとの認識を示した。