治安最前線~新任

(4)目指せ救助のスペシャリスト 特殊救助隊に他県から5人の〝新人〟

県警からの研修生らは1年間にわたり基本的な救助技術の指導を受ける=4月20日、立川市
県警からの研修生らは1年間にわたり基本的な救助技術の指導を受ける=4月20日、立川市

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東日本大震災などの発生を受けて立川市に整備された警視庁の「東日本災害警備訓練施設」。オレンジ色のレスキュー服を着た警視庁災害対策課特殊救助隊員や機動隊員らが、救助技術の向上に励む中に、5人の〝新人〟隊員がいた。

特殊救助隊の研修生として派遣された福島、滋賀、鹿児島、兵庫、高知の5県警からの5人の警察官だ。いずれもそれぞれの県警で救助に携わって10年前後のキャリアを持つが、4月から1年間は救助技術の基礎をしっかりと学び、県警に戻って指導などに役立てる予定だ。

福島県警から派遣された塙健(はなわたける)警部補(35)は、東日本大震災が警察官としての転機となったと話す。塙警部補は津波被害を受けた福島県浪江町で避難誘導や搬送活動に携わった。東京電力福島第1原発事故が起きた地域では、津波被害への救助活動をすぐには行うことができなかった。

「凄惨(せいさん)な現場で無力感を感じた」塙さんは、「警察官として一人でも多くの人の命を助けたい」という思いが強くなったという。

滋賀県警の倉田文裕警部補(35)も東日本大震災に派遣され、無力さを感じ、日々災害救助に携わりたいという思いを持って仕事をしてきた。救助に携わって12年のベテランだが、「新しい知識や基本を一つでも多く学び、自県に帰って生かしたい」と力を込める。

技術の底上げ図る

警視庁では全国で唯一、レスキュー技術を確認する「機動救助技能検定」がある。全国から研修生が訪れる大きな理由の一つだ。初級から上級まであり、救助のために必要な技術を体系的に学び、身に着けることができる。

特殊救助隊の清水邦彦隊長は「基礎を繰り返して積み上げ、突き詰めていくことが一番の力になる」と説明する。

高知県警の西本祥啓(あきひろ)巡査部長(29)は「県の機動隊全体の救助技術の底上げを図りたい」と話す。今後発生が懸念されている南海トラフ地震で、甚大な被害が予想される高知県。県を挙げて防災に取り組んでおり、県警では誰でもチェーンソーが使えるようになる取り組みも進めている。

「警察官の救助レベルが上がれば一人でも助けられる人が増える」と話すのは、兵庫県警の板羽雄一郎巡査部長(33)だ。普段からチェーンソーなどの器具を使うことのできる警察官が多くいれば、災害時にはより多くの人を助けることにつながるとし、研修の成果を県警で広く伝えていきたい考えだ。

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