スタンドを埋め尽くしたファンの後押しを結果につなげられなかった。阪神は4日、ヤクルトに2試合連続で完封負けを喫し、4カードぶりの負け越し。「ゴールデンウィークこどもまつり」と題してスコアボードをひらがな表記にするなどファンサービスに力を入れただけに、矢野監督は「楽しみにしてくれる人がこれだけ集まってくれる。何とかしないと」と肩を落とした。
序盤の拙攻が重くのしかかった。三回まで毎回、先頭打者が安打で出塁しながら、あと一本が出ない。一回1死二塁の先制機では、3番佐藤輝、4番大山が凡退。三回も同じ局面で頼みの3、4番が倒れた。「コースいっぱいに決まっているボールばかりじゃないのでね。仕留めることができていない」と指揮官。前日に続いて音なしに終わった主軸に苦言を呈した。
対するヤクルトは六回1死一、二塁から、村上が左越え適時二塁打。前日に放った先制2ランと同様、右翼から左翼方向に吹く浜風に乗せた一打で、貴重な追加点をたたき出した。勝負どころでのクリーンアップの差が結果に直結した。
今季4勝目を挙げた4月22日のヤクルト戦以降、投手陣は10試合続けて3失点以内と粘りの投球をみせている。借金を着実に返済していくには、打線の奮起が欠かせない。(大石豊佳)