憲法改正「主役は国民」 護憲派は「ほんとに戦争するんですか」

改憲論議の高まりを強調する中曽根弘文氏=3日午後、前橋市の前橋商工会議所
改憲論議の高まりを強調する中曽根弘文氏=3日午後、前橋市の前橋商工会議所

ロシアによるウクライナ侵攻という現実の脅威に世界が包まれる中、日本国憲法は国民を守るものになっているのか-。憲法記念日の3日、群馬県内でも憲法のあり方をめぐる集会が開催され、自衛隊の明記をはじめ緊急事態条項などをめぐって議論された。

憲法改正を目指す「美しい日本の憲法をつくる群馬県民の会」(代表・中曽根弘文参院議員)は、前橋市の前橋商工会議所で「群馬憲法フォーラム」を開催。会場は東京都千代田区の「公開憲法フォーラム」会場とインターネットでつながれ、参加者は、同時中継されるジャーナリストの櫻井よしこ氏による基調提言や各界有識者の提言にも耳を傾けた。

前橋会場で挨拶した中曽根氏は「GHQ(連合国軍総司令部)が突貫工事で作った草案を受け入れ現憲法を作ってから75年、日本の無力化を狙ったと言わざるを得ない内容を、独立国家として日本人の手で作り直すことが当然だったにもかかわらず、いまだに修正できていない」と現状に無念さをにじませた。

安倍晋三政権時代は一部野党が「安倍首相のうちは改正議論に応じない」と審議拒否の構えだったが、最近は国民民主や日本維新などの野党も積極的で、自民、公明を加えた4党による審議も活発という。そのうえで中曽根氏はウクライナ危機をあげ、「核兵器を持ったロシア、中国、北朝鮮に囲まれた日本が緊急事態にどう対処し、いかに国民と領土を守るか、それが改正のど真ん中」と主張。「改正の主役は国民投票に臨む有権者だ」と述べ、一層の理解促進を訴えた。

オンライン中継では岸田文雄首相がビデオメッセージで登場した後、登壇した櫻井氏は「欧米に比べ軍事力で劣る国(ロシア)が核兵器を使って膠着状態をつくり、国連を機能マヒさせ小国をねじ伏せようという現状は100年に一度あるかないかの激変期」とし、安全保障で「根本的に考え方を改めねばならない」と指摘。憲法改正もその流れでとらえるべきとした。

2時間以上の議論を聴き終えた県民の会の長尾悦治事務局長は「憲法改正は過去何度も手が届きそうに思えてスルリと遠ざかってしまっていた。一過性のイベントではなく腹を据えた議論が、今年はできていたように思う」と語った。

一方、護憲派による「第37回 憲法記念日集会」は高崎市の群馬音楽センターで開催され、普天間かおりさんのミニコンサート、弁護士の伊藤真氏による講演の2部構成で行われ、約1千人が集まった。

集会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で過去2年中止されてきた。今年はロシアによるウクライナ侵攻などがあり、国民を守る憲法のあり方もクローズアップされているが、集会では「ほんとに戦争するんですか? 中国がヤバいからやられる前にやっつける準備をするって、それでいいのかな?」などと、問いかけた。

集会事務局の県労働組合会議は「ウクライナの惨状は絶対、戦争を起こしてはならないということを示している。戦争は双方が傷つく。憲法を守り平和外交を真剣に行って解決する道を探るべき」としている。

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