主要企業アンケート

サイバー攻撃「侵攻後に増加」33社

ウクライナ危機を契機に企業はサイバー攻撃の多発に脅かされ、エネルギー調達の不安定化という課題も突き付けられている。産経新聞が行った主要企業アンケートでは、この2点について経営の問題意識を尋ねた。

ロシアのウクライナ侵攻後、世界的に活発化しているとされるサイバー攻撃について、アンケートでは約4分の1にあたる33社が侵攻以降、「サイバー攻撃が増加した」と回答した。

「増加した」と答えた企業は運輸や電機、ガス・電力、食品など多岐にわたり、業種に関係なくサイバー攻撃のリスクが高まっていることが浮き彫りとなった。サイバー攻撃への対応策(複数回答)では、7社が「専門人材を増やした」と回答。「対策費用を増やした」と答えたのは15社で、35社は「社内研修を実施した」としている。

巧妙化する攻撃に対してグループ企業のセキュリティー強化を支援したり、サプライチェーン(供給網)の関係先への注意喚起を実施したりするなど、危機感を募らせる企業もあった。

主な攻撃としては、「マルウエア」と呼ばれる不正なプログラムが仕込まれている不審なメールの受信件数が増加。社内システムが感染した実害も1社あった。また、不審メールの送信元として、自社の名前が悪用されているケースもあり、被害が拡大しないように注意を呼びかけるなど積極的な広報活動も求められそうだ。

原発利用の今後に関心

エネルギー価格が国際的に高騰する中、国内では3月に経済産業省が初の「電力需給逼迫(ひっぱく)警報」を発令する事態も起こり、電力供給体制の脆弱(ぜいじゃく)さを露呈した。

再稼働が見通せない東京電力柏崎刈羽原子力発電所=新潟県刈羽村
再稼働が見通せない東京電力柏崎刈羽原子力発電所=新潟県刈羽村

これを踏まえ、アンケートで原子力発電の再稼働への考えを尋ねたところ84社が回答し、このうち約2割の20社は「電力安定供給のため再稼働を急ぐべきだ」と答えた。「安全性に課題があるため、再稼働にも慎重であるべきだ」としたのは16社、「再稼働すべきでない」は1社だった。

「その他」とする回答を選んだ企業が最多の47社を占めたが、このうち31社が自由記述で原発ついて意見を寄せ、エネルギー問題への関心の高さと、安定供給のあり方に踏み込んだ議論を求める姿勢がうかがえた。「脱炭素の機運の高まりもあり、原発の今後の在り方について議論する必要性が増している。政府によるリーダーシップを期待する」(商社)といった声や、小型原子炉といった次世代技術の安全性に注目する意見があった。

一方、政府の燃油価格抑制策の評価を尋ねたところ、回答した92社のうち約4割の34社は「評価できる」とした。「どちらとも言えない」が50社と過半数に上り、「価格は市場に任せるのが原則」(保険)との指摘があった。

 


会員限定記事会員サービス詳細