日常的に人工呼吸器やたんの吸引などが必要な「医療的ケア児」の支援充実へ向け、各地の家族会が参加する全国組織が3月に発足した。地域に受け入れ態勢の整った保育所や学校が少ないなど課題は多く、自治体による取り組みの差も大きい。これまではばらばらに活動してきたが、今後は連携し、国や自治体に支援を求めていく。
医療技術の進歩で、これまで救えなかった命を日々のケアを伴って救えるようになり医療的ケア児は増加。令和2年度は全国に2万人弱いると推計されている。
発足したのは「全国医療的ケアライン」。国立成育医療研究センター(東京都)にあるケア児の入所施設「もみじの家」の内多勝康ハウスマネジャーらが呼びかけた。
3月の発足時点で43都道府県の家族会が参加。メンバーはケア児や親、支援者ら約1500人に上る。残る4県の家族会も準備中だ。