「報道の力で市民守って」 朝日新聞阪神支局襲撃から35年

凶弾に倒れた小尻知博記者の遺影に手を合わせる男性=3日午前、兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局
凶弾に倒れた小尻知博記者の遺影に手を合わせる男性=3日午前、兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局

朝日新聞阪神支局(兵庫県西宮市)で昭和62年、記者2人が散弾銃で殺傷された事件から35年となった3日、亡くなった小尻知博(こじり・ともひろ)記者=当時(29)=の遺影を掲げた祭壇が支局内に設けられた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年に続き記帳台は設置されなかったが、市民らが続々と追悼に訪れ、冥福を祈った。

5月3日を「正義の日」として毎年、車いすで電車を乗り継ぎ訪れているという元大阪府吹田市議の島晃さん(66)は「ロシアによる軍事侵攻でウクライナの多くの市民の命が奪われ、ロシアでも言論が封殺されている。正義が踏みにじられていることに憤りを感じ、報道の力で市民を守ってほしいという思いで手を合わせた」と話した。

襲撃事件は62年5月3日夜に発生。目出し帽姿の男が押し入り、小尻記者が死亡、同僚の犬飼兵衛(ひょうえ)さんが重傷を負った。報道機関に「赤報隊」を名乗る犯行声明が届いたが、事件は未解決のまま平成14年に公訴時効が成立。犬飼さんは30年1月に73歳で死去した。

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