憲法施行75年 参院選にらみ与野党のアピール際立つ

岸田文雄首相がビデオメッセージを寄せた民間団体主催の憲法集会=3日午後、東京都千代田区(田中一世撮影)
岸田文雄首相がビデオメッセージを寄せた民間団体主催の憲法集会=3日午後、東京都千代田区(田中一世撮影)

憲法施行75年を迎えた3日、憲法改正を求める立場と反対する立場の民間団体がそれぞれ東京都内で集会を開いた。与野党の議員も参加し、7月投開票が想定される参院選に向けて改憲をめぐる主張を強めた。

改憲を求める民間憲法臨調などが主催した「公開憲法フォーラム」には自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党の議員が出席した。自民総裁の岸田文雄首相もビデオメッセージを寄せ、「社会が大きく変化する今だからこそ(改憲に)挑戦し続けなければならない」と強調した。古屋圭司憲法改正実現本部長は「改憲の必要性を必ず公約の大項目(重点項目)に入れて訴える」とアピールし、党の改憲案4項目(9条への自衛隊明記・大規模災害時の緊急事態条項・参院選の「合区」解消・国に教育環境整備の努力義務を課す「教育の充実」)を紹介した。

維新の足立康史衆院議員は「参院選までに9条と緊急事態条項の改正イメージ案を公表する」と明言した。議論の加速化に向けて「(消極的な)立憲民主党を野党第一党から引きずり下ろす。維新が野党の雄として憲法論議の先頭に立つ」と熱弁した。

公明の浜地雅一衆院議員は9条や国防に触れず、緊急事態時の国会議員任期延長を可能とする改憲について「私見」と前置きして「早急に詰めた議論が必要」と述べた。

一方、改憲に反対する市民団体が開いた集会には、立民、共産、社民の3党の議員が参加し、改憲阻止で足並みをそろえた。

立民の奥野総一郎衆院議員は、ウクライナに侵攻したロシアを批判しつつ、「ロシアよりも許せないのが今の与党だ。どさくさ紛れに、ウクライナの問題をだしにして、改憲に突き進もうという姿勢は許すわけにいかない」と強調。「大事なのは参院選。改憲勢力は(改憲の国会発議に必要な)3分の2を切らせるように野党で共闘して戦っていきたい」とも訴えた。

共産の志位和夫委員長は9条改正を「力を合わせて止めよう」と呼びかけた。志位氏は奥野氏の主張について、記者団に「危機に乗じた改憲は許さない、共闘してやっていこう、という力強い話だった」と満足そうに語ったが、奥野氏はこの後のBSフジ番組で自身の発言の一部を撤回。「ロシアより許せないのが今の与党だ」などと言及したことについて「言い過ぎた。申し訳ない」と述べた。(田中一世、内藤慎二)

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