【ローマ=杉本康士】岸田文雄首相は3日午前(日本時間同日午後)、東南アジア諸国歴訪を終え、政府専用機でイタリアに到着した。4日にはイタリアのドラギ首相と会談するほか、ローマ教皇と面会する。5日には英国のジョンソン首相とロンドンで会談し、6日に帰国する。
ドラギ、ジョンソン両氏との会談ではロシアのウクライナ侵攻をめぐる対応について協議。中国が軍事的、経済的影響力を拡大していることを踏まえ「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて両国に協力を求める。
日伊首脳会談では共同訓練や自衛隊のパイロット育成プログラムなどを通じた安全保障協力の強化で一致したい考え。経済面では日本とEU(欧州連合)の経済連携協定を踏まえた協力拡大を目指す。
また、日英首脳会談では自衛隊と英軍が共同訓練などで相互訪問する際の手続きを簡素化する円滑化協定の締結に向け、大枠合意に達したい考えだ。航空自衛隊F2戦闘機の後継となる次期戦闘機のエンジン開発に関する日英協力のほか、英国の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)加盟も協議する方針だ。