がん電話相談から

卵巣がん 手術したばかりなのに再手術?

Q 45歳女性です。昨年12月末に卵巣にがんの疑いがある腫瘍が見つかり、今年1月初めに卵巣がん基本手術として、子宮・両側卵巣卵管・大網を切除しました。重さが1キロ以上もある大きな腫瘍で、粘液性腺がん(ステージⅠ)が疑われるとの診断でした。

しかし、その後病理検査を受け主治医から「再び開腹手術を行いステージングラパロトミー(骨盤や傍大動脈の周囲にあるリンパ節を郭清するとともに腹腔内の諸所の腹膜を擦過して細胞を採取。がんの進行期を診断し治療する手術)と化学療法を行う」と告げられました。判断がつかずにセカンドオピニオンを求めたところ、「粘液性腺がんなので、仮に再手術でリンパ節転移が見つかればステージⅢになる。再手術は再発リスクを判断する意味はあるものの、治療的意味は少ない。術後治療なしで経過観察する選択肢もある」とのことでした。再手術は何のために必要なのですか。

A がん専門病院では、卵巣がん疑いで手術する場合、迅速病理診断(手術中に細胞や組織を採取して診断)を行い、がんだと診断されれば、その場で手術を拡大してステージングラパロトミーを行うことが多いです。基本手術後に卵巣に限局したステージIだと分かった場合、再び開腹手術を実施するのは医師にも患者さんにも一段と高いハードルを越えなければならないからです。しかし、今回のように手術時にステージングラパロトミーを行わなかった場合、私たちは再手術を第一にすすめます。それでも患者さんの納得が得られなければ、次善の策として、化学療法をすすめます。なぜなら粘液性腺がんのステージIでも、リンパ節転移のリスクは10%ぐらいあり、細胞学的に腹腔内にがん細胞が散布されている可能性も10%ほどあるからです。

Q セカンドオピニオンと主治医の説明がかなり異なっているので、とまどっています。

A 粘液性腺がんは、良性の粘液性腺腫が徐々に増大しながら、途中で境界悪性を経て、がんに転化すると想定されます。ブドウの房状に多くの囊胞(のうほう)に分かれ、それぞれが液体を貯留しながら大きくなりますが、肉眼的診断で、囊胞内に「充実部分」と呼ばれる肉の塊を探し、そこから病理標本を作製して病理診断します。顕微鏡で、まずがん細胞なのかどうかを診断し、次に、その細胞が毛細血管やリンパ管が豊富な粘膜下組織(間質)に侵入している程度がまったくないか、微小か、多量かを診断。その違いで術後の治療方針が変わるのです。もし、微小以下の間質浸潤であれば、境界悪性群として、再開腹手術の必要はなく、術後化学療法も行いません。

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