大阪正論懇話会

サイバー攻撃も「やられたら、やり返す」 大阪「正論」懇話会 高市早苗政調会長の講演要旨

講演する自民党政調会長の高市早苗氏=4月24日、大阪市北区のホテル阪急インターナショナル(永田直也撮影)
講演する自民党政調会長の高市早苗氏=4月24日、大阪市北区のホテル阪急インターナショナル(永田直也撮影)

大阪市北区のホテル阪急インターナショナルで4月24日に開かれた第60回大阪「正論」懇話会で、自民党の高市早苗政調会長が「日本を守る。未来を拓(ひら)く。」と題して講演した。講演要旨は次の通り。

ロシアのウクライナへの侵略によって、私たちは厳しい国際情勢に直面した。一つは、残念ながら核を持つ国が軍事を支配するということ。二つ目は国連の安全保障理事会で拒否権を持つ国が外交を支配する現実。そして三つ目は、資源を有する国が経済を支配する現実である。

日本はいずれも持たないが、いずれも持つロシアと中国は日本の隣国であり、北朝鮮も核を保有する。日本は世界でも類を見ない核の最前線に国土を構えているのである。この現実を本気で認識し、備えなければならない。

そしてもう一つ、今回の侵略戦争で気づいたことがある。それは「自分の国は自分で守る」と本気で思っている国に対しては、同盟関係があろうとなかろうと、世界中が何らかの行動を起こしてくれる、ということである。

振り返れば、当初は欧米のウクライナ支援にはばらつきがみられたが、ウクライナが決死の覚悟で戦っている姿がSNS(交流サイト)などを通じて世界に伝わるや、ドイツや米国、永世中立国のスイスでさえ、EUと足並みをそろえて経済制裁に加わる意志を明確に示した。

しかも、ドイツに至っては、これまではどちらかと言えば軍縮路線だった方針を一転し、軍事費を増やすと発表した。この戦争で世界が変わった。

他方で、「自分の国は自分で守る」気概もない、備えもない国に対しては、いざ有事になっても誰も助けてはくれない。日本は日米同盟があるから、自衛のための最低限の装備があればいい、と思っている人もいるが、現実は決してそうではない。

それと、サイバーセキュリティーについても触れておきたい。2016年当時、海外の送信元から日本へのサイバー攻撃は、1日平均3億9千万回あった。それが4年後には、1日平均13億6600万回にまで膨れ上がった。むろん、サイバー攻撃は国内から国内に向けての攻撃もある。もはや放置できない問題なのである。

実は国防分野においても、この問題は重要さを増している。サイバー攻撃から日本国をいかに守っていくか。これにはやはり法整備が必要となる。

「アクティブ・サイバーディフェンス」という言葉をご存じだろうか。日本が他国からサイバー攻撃を受けた場合、今の状況では一方的にやられっぱなしになる。ただ、「やられたら、やり返す」、日本に攻撃を仕掛けてくれば、莫大(ばくだい)なコストと損害が発生し、大変なことになる、という状況をつくっておくべきだと私は考えている。

例えば、攻撃者のサーバーに大量の通信を送りつけて使えなくするとか、逆にこちらからマルウエア(不正プログラム)付きの攻撃を仕掛けるとか、その程度は最低限できなくてはならない。攻撃側の通信を妨害するためのサイバー反撃は、「積極防御」の有効な手段になり得る。新たな戦争への対応が今まさに求められているのである。

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