ロシアのウクライナ侵攻が続く中、ロシア側は4月末時点で100万人を超えるウクライナからの「避難民」を受け入れ、住居や雇用など「人道支援」を提供していると主張している。これに対しウクライナ政府は「強制移住だ」と非難しており、実態は不明な点が多い。ただ、露独立系メディアが報じる一部避難民の証言からは、ロシアが自国内に避難せざるを得ない状況を作り出している様子が浮かび上がってくる。
国防省や関係省庁などからなるロシアの「人道対応調整本部」によると、4月末時点でウクライナや東部の親露派支配地域から露国内に約106万人(うち子供が19万人超)が避難。シベリアを含む各地の自治体が受け入れを進め、食事や医療、住居などを提供しているという。
ロシアはこうした「避難民の受け入れ」について、「人道的措置」だと主張する。しかし、その真の目的は①「ウクライナ国民も政府を見放している」とアピールする材料とする②事実上の「人質」として将来の停戦交渉を有利に運ぶ-ことにあるとの見方が強い。