ロシアのラブロフ外相は、露政府が国家的行事と位置付ける9日の第二次大戦の対ドイツ戦勝記念日と、現在のウクライナ侵攻とは無関係だとする認識を示した。イタリアメディアのインタビューでの発言を1日、露外務省が発表した。
ラブロフ氏は「9日までに戦いは終わるのか」との質問に「露軍は特定の日付に照準を合わせて行動しない」と答え、9日は歴史を追想する日だと強調した。
ウクライナや一部の米欧メディアでは、ロシアが9日に正式に宣戦を布告してさらなる大規模攻勢に乗り出したり、反対に「戦勝」を一方的に宣言したりする可能性が指摘されているが、ラブロフ氏はそうした観測を否定した形だ。
9日にモスクワの「赤の広場」で行われる恒例の軍事パレードは、昨年より規模が縮小され、外国首脳の出席も予定されていない。ラブロフ氏はパレードの縮小とウクライナでの露軍の「苦戦」が関連付けられることに予防線を張った可能性もある。
昨年の赤の広場での軍事パレードには、将兵約1万2千人と約190両の地上兵器が参加。今年は将兵約1万1千人と約130両の地上兵器が参加する。