第3次サウナブーム過熱 バスに個室…コロナ禍でも多様化

中に「サウナ室」があるサウナバス=兵庫県姫路市(土屋宏剛撮影)
中に「サウナ室」があるサウナバス=兵庫県姫路市(土屋宏剛撮影)

新型コロナウイルス禍を背景に、サウナへの注目が集まっている。現在は昭和30年代後半、平成初期に続く第3次ブームの真っただ中とされ、コロナの感染拡大に配慮した個室型やテント型、さらにバスの中にサウナ室がある「サウナバス」まで登場。サウナを題材にした漫画やドラマが人気を博し、中高年から若者まで全国のサウナー(サウナ愛好家)がユニークなサウナに熱を上げている。

引退バス改装

《サウナ→水風呂→外気浴→ととのう》

車内にサウナ室を設けたサウナバス(通称・サバス)。車体側面の「行先表示器」には、立ち寄り先の停留所の代わりに、こんな文字が表示されている。

使われているのは、兵庫県姫路市に本社を置く神姫バスの引退車両だ。大阪市のベンチャー企業「リバース」の松原安理佐(ありさ)社長(29)が買い取り、サウナに改装した。

車両の前方に休憩スペース。後方のサウナ室にはいすが並べられ、定員は一般的な温浴施設のサウナよりも少ない10人ほど。室温はストーブで約80~90度に保たれている。

温浴施設のイベント用などとして貸し出され、「蒸車(じょうしゃ)料」(利用料)は、1人1回4千円前後とかなり高額だが、国内初の試みとあって交流サイト(SNS)で注目され、今年3月の開始から200人以上が〝乗車〟したという。

コロナ禍でバス利用が減り、苦しい経営を強いられるバス事業者は少なくない。生き残りと資産の有効活用を考える中でサウナバスが誕生したといい、松原社長は「全国に魅力を届けたい」と意気込む。

野外もテントで

コロナ禍でも感染を気にせず、一人の時間を楽しみたい「おひとりさま」や仲間内を狙った商戦が、サウナにも波及している。

今年2月に大阪市北区にオープンした男性専用サウナ「MENTE梅田店」。店内の4つのサウナは全て個室。それぞれにシャワーや休憩室が備わる。1回80分の利用で5千円だが、1日20~40人の予約が入るという。

野外にテント型のサウナを設置して楽しむ「テントサウナ」も流行の一つ。熱を外に逃さない特殊素材で、内部に専用のストーブを設置。仲間内や家族など4人前後で入る小型タイプから、20人以上で楽しむ大型タイプもある。専門店が貸し出しを行っており、キャンプ場や浜辺など、時と場所を選ばずサウナを楽しむことができる。

「健康より娯楽」

公益社団法人「日本サウナ・スパ協会」によると、フィンランド発祥のサウナは、国内では今回を含め3度のブームがあった。

第1次ブームは、昭和39年の東京五輪で選手村に設けられたのを機に到来し、東京を中心に4千もの施設が誕生した。第2次は平成初期。食事や宿泊もできる「スーパー銭湯」などの複合型施設で流行した。

そして、サウナにのめりこむ主人公を描いた漫画「マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~」(講談社)が、3年前から複数回にわたりドラマ化されたことで第3次ブームが始まった。コロナ禍でも施設の多様化が進み、ブームは続く。

サウナと水風呂、外気浴を繰り返し、深くリラックスした状態を表現した「ととのう」が昨年の「新語・流行語大賞」の候補に。また、同協会認定の「サウナ・スパ健康アドバイザー」の昨年度の受験者数が、約1万2500人と過去最多を記録した。

同協会の若林幹夫事務局長は、第3次ブームの背景について「単なる健康維持の手段ではなく、娯楽として受け入れられている」と話している。(土屋宏剛)

会員限定記事会員サービス詳細